原産は欧州、シベリア中国東北部で薬用でした。日本へは中国から渡来したものの、中国でも薬用として解毒、解熱、鎮咳などの治療に使われていて食用ではありませんでした。
平安時代の『本草和名』(918年)や『和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)』の記載から、導入されたのはこれ以前とされています。
ゴボウは外国人から見ると単なる木の根っこで、野菜として食べるのは日本と韓国だけでしたが、最近では西洋ゴボウ(風味も異なり淡白)が欧州でも料理に使われているそうです。
日本では昔からゴボウの独特な香りや食感が好まれ伝統野菜(大浦ゴボウ、堀川ゴボウ、越前白茎ゴボウ、八尾若ゴボウなど)として広まりました。
普段食だけでなく、お正月には「細く長く幸せに」との願いからお節料理には欠かせませんが、近年では機能性食品としても注目されています。
ゴボウは不溶性植物繊維と水溶性植物繊維のバランスが良く、大腸で発ガン性物質を掃除し、血糖値の急激な上昇を抑えるので高血圧や糖尿病にも効果的です。
またゴボウの皮にある大事な風味や栄養素はサポニン・クロロゲン酸(ポリフェノールの一種)で、腸内の善玉菌を増やして腸内のバランスを整え、抗酸化作用で血液サラサラ、抗がん作用、美肌効果も期待されるため、ゴボウを白く仕上げたいとき以外はアクと言って水にさらすのは勿体ないです。
更にゴボウを切るとクロロゲン酸を壊す酵素が出るので、調理前に加熱することで(酵素は熱に弱いため)クロロゲン酸を最大限に摂ることができます。
参照:花図鑑「野菜+果物」、野菜ソムリエテキスト、南雲吉則著「ゴボウ茶を飲むと20歳若返る!」、富岡典子著「ゴボウ」、「林修のレッスン!今でしょ」
【ゴボウまるまる一本を使って簡単3種メニュー】レンチンゴボウ
下準備:ゴボウは洗い皮つきのまま1本を1/3に切りラップをして電子レンジ500wで2分加熱。時短で扱いやすく栄養価も大。今回は3種のメニューに!
【ゴボウのキーマカレー】
《材料》あいびきミンチ…200g、玉ネギ1/2個、レンチンゴボウ…1/3本、鶏ガラスープ…180㏄、A(カレー粉:大3、ウスターソース・ケチャプ:各小2、クミン:少々)
《作り方》あいびきミンチを炒め、みじん切りの玉ねぎ、粗みじんのゴボウを加えてさっと炒め、鶏ガラスープを加えて煮立ったらA を入れてとろっとするまで弱火で煮る。お好みで青ネギや目玉焼きをのせる。
【焼きゴボウ】
レンチンゴボウ…5㎝の長さで縦半分か1/3に切り、オリーブ油を敷いたフライパンで両面を2分ほど焼き最後に塩をふる。
【ゴボウのから揚げ】
レンチンゴボウ…ピーラーで削ぎ、ビニール袋に入れて片栗粉を軽くつけて素揚げする。
ゴボウを食べて元気に若返りましょう~!
文&写真:野菜ソムリエ 今井美和子