原産地は南メキシコ、中南米。7000年前のメキシコの遺跡やペルーの洞窟からインゲンマメの化石が発見され、当時からインゲンマメを栽培して食べられていたようです。今でも世界各国で食べられる一番人気の豆とされています。
やがて大航海時代にコロンブスによってインゲンマメがヨーロッパにもたらされ、のちに中国に伝わります。
日本には1654年に隠元和尚が中国からインゲンマメを持ち帰り、インゲンと呼ばれるようになりました。(持ち帰ったのはフジマメとする説もあります)
当時は豆を取るための乾燥種子用のインゲンマメ栽培でしたが、明治時代に若いインゲンを莢ごと食べるサヤインゲンの種子が導入され、野菜用として全国で栽培されるようになりました。
それに対して種子用インゲンマメ(和菓子のあんこ、甘納豆、煮豆、サラダ用豆)栽培は全国の90%が北海道で生産されています。
1980年頃にはモロッコインゲンも登場。最近は改良種のスジなし(ストリングレス)が主流です。
サヤインゲンは成長が早く年に3回収穫できるところから、関西では三度豆と呼ばれています。
《栄養価》
カリウムが多く、塩分を排泄するので高血圧やむくみ解消にも効果的です。
また緑葉食野菜に含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変換され免疫機能を高め、髪や皮膚、粘膜の健康維持、喉や肺などの呼吸器系を守る働きがあるといわれ、骨を丈夫に保つビタミンKも含んでいます。
《保管方法》
サヤインゲンは風にあたるとしなびるので、ラップに包んで冷蔵庫で保存。
そだててあそぼう「インゲンマメの絵本」、図鑑「野菜+果物」参照
【蒸し焼きインゲンのサルサソースかけ 】
フライパンにオリーブ油と香り付けにバター少々を加え、インゲンとみじん切りのニンニクを入れて蒸し焼き(水大さじ2ほど入れて蓋をする)にする。
蒸し焼きインゲンを器に盛り、サルサソース(みじん切りのトマトと玉ねぎ、唐辛子、半個分のレモン汁、塩、パセリを混ぜる)を上からかける。
【うす揚げのインゲンピザ 】
《材料(1枚分)》
うす揚げ…1枚、蒸し焼きインゲン…5~6本、トマト…1/2個、アンチョビ…少々、ピザ用チーズ(とろけるチーズ)…40g、オリーブ油…大さじ1
《作り方》
蒸し焼きインゲンを使う。トマトは半月切り。
うす揚げにトマト、インゲンを長いまま並べてアンチョビをちらし、チーズをのせて、オリーブオイルを回しかけ、事前に温めておいたオーブントースターに入れて、うす揚げがカリカリになるまで焼いたら出来上がり。前菜などに美味しいですよ!
身近でお手軽な野菜 インゲンをもっと食卓に!
文&写真:野菜ソムリエ 今井 美和子