脱サラ 新規就農を振り返る

私は「生きがい農業コース」の24~26期、「就農コース」14期を経て稲美町で就農しました。

それまではいわゆるIT業界でシステムエンジニアをしていた、脱サラ新規就農としてありがちなパターンの人間です。

農業へのきっかけは、プランターで育てたミニトマトの美味しさに感動したのが始まりで、「畑で野菜を作りたい」と思いいきがい農業コースへ、「農業で生活できたら面白そう」と思い研修を経て就農まで行きついた、いわゆる「趣味が高じて就農」という、思い返せば危険な道筋でここまで来ました。

現在はハウス3棟で春夏にトマト、秋冬にキュウリを、露地でブロッコリーや白菜、水稲を栽培しています。
とはいえ、収量が計画通りに上がらなかったり、逆にたくさん採れたら手が回らなくなったりと、まだまだ試行錯誤を続けている状況です。


就農してからの3年ほどを振り返り、これから就農を考えている方にアドバイスするなら「とにかくたくさんの農家さんを見学してください」です。

例えばイチゴ農家を目指すならイチゴ農家を見てください。農家によって設備も規模もやり方も様々なことが判るはずです。
自分の思い描いた農業に近い農家が見つかれば、できればそこで研修を受けてください。イメージしていた作業や必要な農機具・設備が具体的に判るはずです。
楽農学校でも得られる知識・技術はありますが、学べる栽培方法は数あるうちのひとつです。それが唯一の解ではありません。

また就農すると楽農学校より数倍・数十倍の規模を扱うことになり、それをさばく技術と効率化も必要になります。それらをベテラン農家から伝授してもらえれば非常に大きな財産になると思います。


就農したら労働時間はサラリーマン時代よりもはるかに多くなりました。基本的に週7日労働です。
ですが、やるもやらないも自由ではあります。すべては自分次第なのでその分怖い生き方でもあります。試行錯誤しつつも、この生き方を10年20年と続けていこうと思っています。

OB会役員 就農14期 福原 史生