みんな大好き「イチゴ」(バラ科)

原産地はチリ。今のイチゴは 18 世紀中頃、北米と南米原産のイチゴがオランダで交配されて生まれました。

日本へは江戸末期オランダ人から持ち込まれ「オランダイチゴ」と呼ばれましたが観賞用で、本格的な栽培は明治に入ってから。
露地の旬は4~6月ですが、栽培技術の開発によってクリスマスを含め年中出荷が可能になりました。

(写真:Photo-ac)

イチゴは青果流通では「果物」、統計分類では「野菜」、農林水産省では「果実的野菜」に分類されます。

鮮度が命のイチゴ。ヘタを付けたまま食べる直前に洗い、あとからヘタをとることでビタミンCの流出や水っぽさを防ぎます。
目利きのポイントは、全体にハリがありヘタが鮮やかな緑色で瑞々しくヘタの近くまで赤くなっているものを。
尖った先端の方が甘いです。

(写真:Photo-ac)

日本でショートケーキと言えばイチゴ。
しかしショートケーキの「ショート」は、ビスケットみたいに「サクサクする」という意味で欧米では別物らしいです。

イチゴは「ビタミンCの王様」。1粒(20g)に14㎎のビタミンCが含まれており、7粒で1日に必要なビタミンC(100㎎)が摂取できます。
ビタミンCは抗酸化作用、免疫機能を高め、メラニン色素の生成を抑制し、カルシウムの吸収と代謝に関与。
赤い色素のアントシアニンは活性酸素の増加を抑制する働きがあり、造血の葉酸は果物の中でも群を抜いて多い微量栄養素です。


【鯛のイチゴのバルサミコソースかけ】

《材料》
鯛切り身…2切れ、小麦粉…適量、イチゴ…6個、グラニュー糖…少々、バルサミコ酢…大さじ1.5、はちみつ…大さじ1、しょうゆ…小さじ1/2、付け合わせ野菜…お好みで

《作り方》
鯛に塩コショウし、小麦粉をまぶし、フライパンに油をひき焼き色がつくまで焼く。
イチゴは2㎝の角切りにしグラニュー糖を振りかけ20分程おきバルサミコ酢、はちみつ、しょうゆを加えて混ぜ、半分は飾り用に。
残りの半分はイチゴを潰して器に敷きその上に焼いた鯛をのせ、上から飾り用のイチゴソースをかける。
付け合わせの野菜を飾り出来上がり。(イチゴのバルサミコソースは魚介類カルパッチョやアイスクリームにも合いますよ)


イチゴソースで食卓を春らしく!

文・調理写真:野菜ソムリエ 今井美和子