楽農学校で受講されている方はそれだけで豊かな人生を送られているように思われます。
しかし、ここに集う方々は豊富な経験・知識だけでなく、いろいろな趣味も楽しんでいる方も多く、まさに豊かな人生を送っている方をここに紹介させていただきます。
今回紹介するのは、生きがいコース24期から受講し、先日37期を修了された嵯峨達裕さんを名村正一が取材をしました。
現役時代から仕事の合間に、夏はキャンプ・登山、冬にはスキー、気候のいい頃はドライブ・ゴルフなどアウトドアに加え、水彩画やガラス瓶やグラスに施すサンドブラスト、蕎麦打ち、麻雀などのインドアの趣味と合わせ充実した毎日でした。
とりわけ水彩画は国内外問わず現地でのスケッチを中心に描き、中でも目を引いたのは、奥様とアメリカ横断ドライブに行かれた際、ルート66号線をドライブの途中に偶然休憩したときに描いた絵と聞かされ見た絵が、名作映画のロケ地である「バグダッドカフェ」であると気づいたときは驚きました。
そんな嵯峨さんも定年を迎えてあとは年金生活を迎えるにあたり、友人からの情報で楽農学校の事を知り、単にリタイア後の運動不足の解消にでもなればとの思いで申し込みました。
高校卒業後実家を離れてから50年、仕事の関係上転勤族として農業とは全く縁が無く過ごしてきたので、受講を始めると知らない事の連続で、特に土作りの大切さ、施肥量・方法、病害虫対策の必要性など基礎知識が身につくので非常に参考になりました。
当初は新鮮な野菜が採れればラッキーぐらいのつもりが、楽農学校で講習通りの土作りに取り組むと、初年度から植え付けた野菜が想像以上に収穫できてビックリ。品種に依っては処分に困るほどで、ご近所や趣味仲間の友人たちにお裾分けし大層喜ばれています。
しかし、その友人の中には「また期待してるよ!」などと言う人まであって少し閉口しながら新鮮な野菜を届ければ、時にクッキーや他の物に変わることもあると笑っています。
また楽農学校で学んだ知識、知り合った人々の影響や学校で教えてもらった千枚漬けやキュウちゃん漬けは勿論のこと、春夏のインゲンやコーンは冷凍に、秋冬の大根は切り干しなど食材・料理にも興味が出てきています。
作業については子供の頃、実家の田植えや稲刈りなどを手伝っており、たいして戸惑うこともなく青空のもとで行う圃場での施肥、畝作りなどは運動量からして健康維持にももってこいだったようです。
自宅は三田で実家は姫路。実家にはご両親が亡くなられてから放置されたままの土地があり、その土地を利用できれば土地の保全と野菜の収穫が出来て一石二鳥!
このように、実家の畑と楽農学校の圃場の2か所で野菜作りに精を出し、持ち前の器用さを生かし楽しく健康的に過ごされています。
作品写真:生きがいコース24期 嵯峨達裕