楽農を生活の中心に 兵庫楽農生活センター 岩見センター長ご挨拶

楽農学校OB会の皆様には、各種イベントへの協力や楽農生活実践者の紹介など大変お世話になっております。

令和5年4月からセンター長を拝命しております岩見昌典です。
とはいっても、この職場は2回目で、ご存じの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、改めましてよろしくお願いいたします。

さて、「楽農生活」とは言葉のとおり農に親しむ生活スタイルという意味です。では、なぜこのようなことを県が普及啓発する必要があったのでしょうか。

昔の日本では、全世帯に占める農家の割合は37%(昭和25年)と多かったので普段の生活をすれば農業や農村のことを知ることができました。
しかし、今や、農家の割合は5%(平成22年)とごくわずかになり、農業や農村のことは意識してその情報を取りにいかなければ知ることは出来なくなりました。
農家の家族内でも次世代に引き継がれることが無くなりました。

一方で、食料自給率(カロリー)は、年々減少し令和3年で38%と40%を切る状況が続いています。そのうち兵庫県の自給率は15%と国全体より大幅に低く、国内でも他地域に大きく依存しています。

また、消費者は農家に沢山作って自分の住む地域で販売してほしいと言い、農家は儲からないので高齢化が進み担い手が不足していると言います。それぞれが一方的な主張に終始し、お互いの理解が進んでいない状況です。

農業は農家のためだけのものでも消費者だけのものでもありません。お互いがどうすればよいかを考えられる状況を作り出す必要があります。そのため、農業や農村を知らない人が少しでも農業・農村にかかわる方法として「楽農生活」を提案しています。

野菜作りを趣味で楽しむ、職業として農業に取り組む、地元のおいしいものを購入する、農村で暮らしてみる、農家と消費者の仲立ちをする等それぞれの方に適した農業や農村とのかかわり方を見つけ行動することが「楽農生活」であると思います。

2年前から楽農学校の皆様の活動を「私の楽農生活」と題して取材し発信していますが発信数はごく一部です。会の皆様には、それぞれの楽農生活のすばらしさをどんどん発信していただくことをお願いいたします。

そして、農業・農村が県民の大切なものとして意識されるような豊かな兵庫県になればいいなと思っています。

~私の楽農生活~ ホームページアドレス
https://hyogo-rakunou.com/usage-guidance-jissensya.html