いろいろな料理に合う万能選手!「ニンジン(セリ科)」 最終回

原産はアフガニスタンのヒンズークシャ山麓、ヒマラヤです。
13世紀にアフガニスタンから中国に伝えられたニンジンが東洋種で、ヨーロッパに渡り改良されたものが西洋ニンジンです。
日本には江戸初期に東洋、江戸後期にオレンジ色の西洋ニンジンがやって来ました。

にんじん (写真はPhoto ACより)

《栄養価》
英語でニンジンはキャロットですが、オレンジ色の色素であるカロテンはニンジンから生まれ、皮付近に多く含まれています。
緑黄食野菜の代表的存在で、野菜の中でもβカロテンの含有量が多く、これが体内に入るとビタミンAに変化します。
ビタミンAは、粘膜や皮膚、髪を健康に保ち、歯の成長をよくし、油と一緒に取ると吸収率がいいです。
ビタミンAが足りなくなると、夜に目が見えにくくなる夜盲症なります。

それに比べ正月に欠かせない金時ニンジンは東洋種で、西洋種よりカロテンが少ないものの抗酸化作用の強い赤い色素のリコピンが多く、活性酸素によるシミやしわ、免疫機能の低下などの予防や改善に効果的です。
ニンジンには「アスコルビナーゼ」という酵素が含まれ、ビタミンCを酸化させます。
もみじおろしを作る時にはニンジンと大根を別々におろして食べる直前に合わせるとビタミンの損失が少ないです。

にんじん (写真はPhoto ACより)

《選び方》
色が鮮やかで表面がなめらかなものを。軸の切り口が大きなものは芯が太くて堅く味が落ちるので小さなものを選びましょう。
また茶色に変色しているのは古く、緑色に変色しているものは日に当たって堅いです。
またひげ根のあとの溝が深いもの、ひび割れているものは避けましょう。

参照:花図鑑「野菜+果物」「野菜ソムリエテキスト」


ニンジンづくし

ニンジンづくし

【ニンジンドレッシング】~写真左奥~

≪材料≫
ニンジン…1本、すりおろし玉ネギ…大さじ2、酢…大さじ6、砂糖…大さじ1、みりん…大さじ1、サラダ油…大さじ6、塩・黒コショウ…少々

≪作り方≫
ニンジンは皮をむいてすりおろし(フードカッター可)、すべてを混ぜ合わせて出来上がり。お好みのサラダにどうぞ!

【ニンジンラペ】~写真右奥~

≪材料≫
ニンジン…1本、レーズン…30g、クルミ…20g、オリーブ油…大さじ1、酢…大さじ1、はちみつ…小さじ1、砂糖…大さじ1
≪作り方≫
①千切りにしたニンジンをボウルに入れ、塩(小さじ1/2)でもみ、しんなりしたら水気を絞る。
②水で戻したレーズンとくるみ以外の調味料を①に加えて混ぜあわせ、30分以上冷蔵庫で冷やし食す直前にクルミを混ぜて器に盛る。

【カレー風味のニンジン】~写真右の端~

≪作り方≫
ニンジンを茹でる時にごく少量のカレー粉を加えるだけでいつもと違った味わいになります。

【チーズ味のニンジンロースト】~写真手前~

≪材料≫
ニンジン…1本、オリーブ油…大さじ1,粉チーズ…お好みの量
≪作り方≫
ニンジンを縦1/4に切り、フライパンでオリーブ油少々で蒸し焼きにし、火が通ったら残りのオリーブ油を加え、さらに粉チーズをお好みの量加えてニンジンの周りにからめて出来上がり。


ニンジン料理で冬の肌荒れ予防や免疫を高め健康な毎日を!

文&写真:野菜ソムリエ 今井美和子
*2012年より13年間39回こちらのコーナーでお世話になりありがとうございました。